青く光るフィールドを切り抜けながら、僕はバスターを構えて敵のロボットを撃った。 敵ロボットが壊れ、倒れていく―――その度に、言い知れない痛みが僕の中に駆け抜ける。 痛い、痛い、痛い―――心の中で何度も叫んだ、けれどもその叫びを聞くものなど何も居なかった。 やがて、大きな自動扉が開けていく。 一際だだっ広い空間に佇んでいた、一体のロボット―――それが、このフィールドを統べる主なのだ。 青い装甲に、白いバスターを構えた体格の良いロボットが、鋭い瞳で僕を睨みつけている。 「やっと来たか…待ってたぜ、ロックマン。俺の名はフラッシュマン―――D.W.N014フラッシュマンだ」 「フラッシュマン……僕は」 「問答無用だ。さっさと構えろ。散々俺の部下壊してくれやがってなぁ……悪いが、遠慮無くやらせ て貰うぜ」 「………っ!!」 バシュ、と言葉が終わると同時に放たれた光弾を、僕はジャンプしてかわした。 間髪入れずに放たれる光弾―――なんて連射性の高いバスターだろうと僕は戦慄する。 これが、ワイリー博士の創った純粋なる戦闘用ロボットなのだと。 そして、それ以上に何か恐ろしい武器を持っているような気がしてならない―――そう、思った時。 「タイムストッパー!!」 彼が叫ぶ声と、眩い光が目の前に瞬いた―――次の瞬間。 バチッ、と機体のあちこちから響くショート音に、僕は耳を疑った。 機体のそこかしこに穿たれた穴―――それは紛れも無くバスターで打ち抜かれた痕だった。 「何が起こったのか分からねぇって顔してるな」 「―――!!―――」 考えている事を見抜かれていた事に、僕は思わず息を呑んだ。 「悪いが、一々俺は説明なんかしてやらねぇ……さっさとくたばりやがれ」 フラッシュマンが再び、僕にバスターを向ける。 僕はぎり、と歯を食い縛って、バスターを構えた。 バスターから何度も光弾を放つ、けれどもそれは彼にいとも容易く避けられた。 「遅いな」 「……っ」 「少なくとも、そんな動きじゃ俺を倒せねぇぜ」 「フラッシュマン、僕は君を倒したくなんか」 「黙れ!もう一度テメェにアレ食らわしてやろうか、あぁ!?」 フラッシュマンが距離を詰めた、僕はその一瞬に出来た隙を見逃さなかった。 バシュ、とバスターを打ち込んだ、その光弾は彼の右腕を正確に打ち抜き破壊する。 「ぐあ……っつ野郎おおおおお!!」 続けて僕は何度もフラッシュマンにバスターを打ち込んだ。 喪失の青 消失の赤〜Extra stage;Side-R〜より一部抜粋